人事録

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面接官に必要な心構え

見られてますよ、面接管さん

面接官新卒採用であれ、中途採用であれ、人材確保で避けて通れないのが面接です。
採用試験の最終ステップである面接は、とても重要なミッションです。
ここで適切な判断が下せなければ、優秀な人材をみすみす逃してしまいます。

入社意欲の高い人のなかから、会社にマッチする人材を探すことはとても大切です。
それと同時に、応募時は第三志望や興味がある程度の人であっても、優秀だと思ったら、第一志望にまで相手の関心度を高めることも面接管の大切な仕事です。
この努力を怠ると内定辞退が増えて採用コストが無駄になるうえに、欲しい人材がなかなか確保できないという事態に陥ります。

調査によると、会社に就職しようと思った決め手の2位が面接官だという結果が出ており、
面接官の印象がいかに重要であるかがわかります。

私が上司に教えられ、それに自分なりのアレンジを加えた面接官の心得をご紹介します。
何か使えそうなものがあれば、参考にしてください。

面接管は会社の顔

まず、第一印象に気をつけることです。
だらしない服装は厳禁です。
きちんとしたスーツで髪型を整え、爪は伸びていないか、靴は磨かれているかなど、清潔な印象を心がけます。

なぜなら、面接者は就職希望者にとって会社を代表する人物であるからです。
つまり面接官の印象が悪いと、会社の印象が下がるのです。
そんな事態は避けたいですね。

面接者は大切なお客様

面接に来られた方を、自社に興味をもってくださったお客様として、失礼のないように接することも大切です。
雇ってやるという上から目線は禁物です。
あくまでも対等の立場で、敬意を持って面接します。
自社に興味を持ってくださった方ですから、面接側も相手がどのような方なのかに興味を持たなければ失礼に当たります。

明朗公正であれ

明朗で公正であることも、面接管の最低条件です。
面接に来た人にとって、もっとも気になるのが労働時間や休日、各種手当などの労働条件です。
労働条件について聞かれたときに、人材募集広告の内容と違うことを答えたり、口ごもったりすると、相手に不信感を与えてしまいます。
面接前に広告内容を確認し、間違えないように募集条件などを記載した書類を手元に置いて答えるようにしましょう。
また、入社してから話が違うと不満が出ないように、年度替わりは残業が多いなどのマイナス情報もしっかりと伝えます。
それと同時に、自社で働けばどんなにすばらしいかをアピールすることも大切だと考えています。
つまり、多少の残業があっても、ぜひともここで働きたいと思ってもらえるように頑張るのです。

クロージングは第一印象と同じくらい大切

最後の心得は、第一印象と同じくらいクロージングが重要ということです。
面接が終わった後は、立ってドアまで見送り、採用結果をいつまでにどのような方法でお知らせしますと伝えて、お見送りします。
最後の印象が悪かったら、それまでいくら印象が良くても台無しですから、最後まで気は抜けません。

スムーズな面接のコツ

緊張は悪くない。緊張とどう付き合うかが大切

就職活動で最も緊張するのが、面接ではないでしょうか。
少しでも高く評価してもらい、内定につなげたいと思う気持ちが強いあまり緊張してしまう――こんな経験が誰にでもあるでしょう。
人事部は学生との面接も仕事の一つです。
さまざまな学生と面接してきましたが、面接時に緊張が必ずしも悪い結果を導くことにはならないので安心してください。
緊張しながらも精一杯誠実に、頑張って受け答えをしている学生を見ると、フレッシュですばらしいと感じます。

これから社会に出ていくのですから、面接で緊張するのはあたり前です。
ただ、自分の緊張に飲まれてしまって失敗をした場合、その失敗が頭から離れず、その後の面接がグダグダになってしまうという事態だけは避けたいものです。

面接で大切なこととは?

面接では話す内容も大切ですが、それ以上に言葉を使わないコミュニケーションが大切です。
面接官は第一印象、姿勢、声、目線、笑顔、しぐさなどから、その人の人となりを見抜きます。
まっすぐに伸びた背筋、誠実な目線、ハリのある声、自然な笑顔は、黙っていてもあなたのやる気を面接官に伝えます。
反対に曲がった背筋、ぼそぼそとした声、相手から目線をそらせる、笑わない、貧乏揺すりをするという人だった場合と比べてみてください。
雲泥の差があることがお分かりになるでしょう。

緊張を和らげコツは?

それでも緊張を和らげたい場合は、自分をリラックスさせるアイテムや、自信を持たせてくれるアイテムを持参してはいかがでしょうか。

しかし、第一印象を整えるのは面接のいろはですから面接官に見えるところにラッキーアイテムを身につけるのは禁物です。
たとえば家族や自分が神社でいただいてきたおまもりは、面接官には見えません。
しかしバッグにおまもりを忍ばせておくだけで、心強い味方になってくれるはずです。
また、お気に入りのハンカチ、お気に入りのキーホルダーなど小さなラッキーアイテムを1つ持っていると、面接の前にそれを眺めれば緊張が和らぎ、気持ちが落ち着きます。

あわてて答えなくてもいい

面接官の質問に、即座に切り返すように答えなければと考えて、あわてて答えようとする人もいますが、すぐに答えず、ちょっと間を置いて答えた方が効果的です。
面接管は相手の質問を理解して的確に答えようとしていると判断しますから、あわてずに落ち着いて答えてください。
しかし、そのときも笑顔や姿勢など言葉以外のメッセージには気を配りましょう。

これまで何千人もの人の面接を行ってきたホリエモンこと堀江貴文さんは第一印象は大切、採用するかどうかは、最終的にはフィーリングで決めると語っています。

新卒入社試験の「受験料」制度

ドワンゴが今年も入社試験の受験料制度を採用

お金ドワンゴは2014年11月12日、新卒の入社試験の有料制度を今年も実施すると発表しました。
近年、就職活動ではインターネットの就職情報サイトを活用するのが当たり前になっています。
情報サイトでは、自分の望みの条件を入力して検索をかければ簡単に希望する企業が抽出できるので、一人で数十社を受験する学生が少なくありません。
都心の学生のなかには、100社を受験するつわものも出ています。

学生側はインターネットから簡単にエントリーできるので便利ですが、面接をする企業側はなかなか大変です。
大勢の受験者から人材を選ぶため、ある程度は筆記試験だけで判断せざるを得ず、面談の時間も十分に確保できません。
このため人材のマッチングに配慮した採用が難しくなってるのです。
そのうえ、一人で何社も受けて複数の企業から内定を受けても入社できるのは一社だけですから、内定辞退者が増えるというデメリットもあります。

受験料制度で内定取り消し者が激減

ドワンゴはこのような悪循環に異をとなえ、昨年度から「受験料制度」を採用しました。
本当に就職をしたい学生だけに来てほしいとして、首都圏の受験者から2,525円の受験料を受け取ることにしたのです。
その結果、応募者数は前年の36.8%と大幅に減少したものの、内定承諾率は前年比125.5%に増加。
大きな効果を得ています。
ドワンゴは予想通り結果だったと述べており、引き続き受験料制度の実施を決定しました。

しかし、東京労働局から受験料制度が就職採用活動の手数料と見なされない可能性があると指摘され、来年度の実施を取りやめるよう指導しました。
そこで、去年はドワンゴが提供するニコニコ動画にちなんで2,525円だった受験料を、今年は手数料6,000円を受験者とドワンゴが折半する形を取り、3,000円の受験料を徴収します。

受験料が発生するのは東京、神奈川、埼玉、千葉に住んでいる学生のみ。
このほかのエリアの住んでいる学生は、無料で受験できます。

(参考サイト)
http://info.dwango.co.jp/pi/ns/2014/1112/index.html

本当に働きたい人だけに来てほしい

日本の会社はそれぞれ社風が異なり、同じ業種でも会社によって職場環境はがらりと変わります。
このため、せっかく望みの業種に就職できても会社の社風になじめず人間関係で悩み、退職してしまう新人も少なくありません。
会社側にとっても、就職できるならどこでもいいという社員ではなく、この会社で働きたいという強い熱意を持った人材を求めいます。
お互いが必要とされるのがベストですから、就職前のマッチング対策は今後ますます重要になると予測されます。

学生からお金を取る受験料制が、マッチング効果を上げるための最適な手法であるかどうかの議論は別として、就職活動の矛盾に疑問を投げかけ、私たちに適切な就職活動について考える機会を与える活動だと評価できます。